インタビュー

2025年11月18日

Manticore Games、『Out of Time』で Epic エコシステムを全面採用

インディー

Manticore Games が手がける『Out of Time』は、過去、現在、未来が融合した断片的な世界を舞台にした、マルチプレイヤー協力型ローグライク ゲームです。 

本作の開発で Manticore は、UE5 を用いてゲームを制作し、Epic Online Services を活かしてボイスチャット機能を実装、そして Epic Games Store の First Run プログラムを通じて独占的にリリースしました。まさに「Epic にすべてを賭けた」作品と言えます。

私たちは、スタジオの CEO である Frederic Descamps 氏と CTO である Christian Wilson 氏に、なぜ今回のリリースで Epic のエコシステムを選んだのか、そしてその決断がどのような成果をもたらしたのかについて話を聞きました。
 
 

まず、『Out of Time』とはどのようなゲームなのでしょうか?

Frederic Descamps 氏 (CEO):『Out of Time』は、初の MMO 寄りのマルチプレイヤー ローグライク ゲームです。すべての時間軸が崩壊した後の、壮大で美しい宇宙を舞台にしています。

1 〜 4 人で協力プレイが可能で、ソロプレイやマッチメイキングにも対応しています。『Out of Time』では、装備によって能力が変化する「ミックス & マッチ」型のギアベース能力システムや、プレイヤー同士のステータスを共有する協力メカニクス「Tether」、そして激しくカオスな戦闘など、これまでにない独自のゲームプレイ要素を多数盛り込んでいます。さらに、グローバル チャットや高度なフレンドリストなど、MMO を思わせるようなネイティブなソーシャル機能も充実しています。
Manticore Games
『Out of Time』は、スタジオとしてどのような進化を示す作品になっていますか?

Christian Wilson 氏 (CTO):私たちはこれまで、Unreal Engine 4 を使って「Core Platform」を開発してきました。そのため、Unreal Engine 5 を採用するのはごく自然な流れでした。それに含まれる機能である World Partition や Niagara、そしてカスタムのネットワーク レプリケーション グラフといった仕組みを活用し、本作で私たちのビジョンを実現することができました。
 

『Out of Time』の着想には、どんな作品や体験が影響していますか?

Descamps 氏:プレイヤーからは、『Out of Time』は『オーバーウォッチ』、『Vampire Survivors』、『フォートナイト』、そして『WoW dungeons』のダンジョン要素を組み合わせたようだ、と言われることがあります。中には、初代『ガントレット』を思い出すという人もいますね。
 

今回のプロジェクトでは、「Epic にすべてを賭けた」と言えるほど、UE5、Epic Online Services、Epic Games Store (EGS) を全面的に採用しています。なぜその選択を?

Descamps 氏:Epic はこれまでも、そして今も素晴らしいパートナーです。私たちにとって UE5 を選ぶのはごく自然なことでした。私たちが慣れ親しんでいるという点に加え、似たタイプの他のゲームが UE5 でどれほど美しく、スムーズに動いているかを見れば、その理由は明らかです。 

Wilson 氏:同様に、Epic Online Services の導入も迷う余地はありませんでした。充実した機能群と、UE エコシステム内での統合のしやすさを考えれば、当然の選択です。EOS を使うことで、私たちはチームの時間をよりゲーム独自の要素の開発に充てることができました。ボイスチャットなどの機能を短時間で実装できたおかげで、より多くの時間をゲームプレイの改良に費やせたのです。
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Unreal Engine 5 へのアップデートは、ゲームのビジョンにどのような影響を与えましたか?また、プレイヤー体験の面ではどのような新しい可能性が広がったのでしょうか?

Wilson 氏:Unreal Engine 5 の新機能や強化された機能の多くを、『Out of Time』の開発に直接活用しています。World Partition、データ レイヤー、HLOD を用いることで、より大規模なレベルを効率的に構築し、マップの生成、管理、読み込みを最適化できるようになりました。さらに、大量の敵が登場するスピーディで迫力ある戦闘を実現するため、Niagara やカスタムのレプリケーション グラフなど、Unreal Engine 5 のさまざまな機能を活用しています。最近では、Unreal Motion Graphics (UMG) や UMG ビューモデルの採用範囲を拡大し、新しい UI を開発する際のボトルネックを取り除くことにも成功しました。
 

インディー開発者として、ソース コードを含むあらゆる機能が最初から揃っている Unreal Engine を使うことは、大手スタジオとの競争においてどのような助けになっていますか?

Wilson 氏:Unreal Engine に備わっているさまざまな機能を総合的に活用できることで、私たちのチームはゲーム独自の要素により集中することができています。エンジニア チームもアート チームも、ゲームプレイ、UI、AI、ネットワーク、最適化といったコア部分の開発に専念できるようになりました。
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Epic Online Services (EOS) を使ってボイスチャットを実装したとお聞きしました。『Out of Time』では、どのように活用しているのでしょうか?

Wilson 氏:『Out of Time』では、最大 4 人までのプレイヤーがスクワッドを組んで一緒にプレイできます。スクワッドに参加すると、他のメンバーとボイスチャットでコミュニケーションが取れるようになります。 

プレイヤーは出撃前にロードアウト (装備構成) を相談し合ったり、プレイ中に状況を伝え合ったりすることができます。ボイスチャットを通じて、状況に応じた仲間の反応を聞けるため、ゲーム体験そのものがより臨場感あふれるものになります。

EOS を使ったボイスチャットの統合は、私たちにとって非常にスムーズでスピーディーでした。初期実装までエンドツーエンドで作業を進め、短期間で完成させることができました。 
 

なぜボイスチャットの実装に EOS を選んだのですか?

Wilson 氏:『Out of Time』は Unreal Engine の上に構築されているため、実装のしやすさを考えると EOS を採用するのはごく自然な選択でした。さらに、EOS はデベロッパー ポータルを通じてボイスチャットの利用状況を可視化できる機能も提供していますからね。
 

EOS を導入してみて、他の開発者が知っておくべき学びや気づきはありましたか?

Wilson 氏:全体的に見て、開発中に予期せぬ問題はなく、統合は計画どおりに進みました。ひとつ学んだことがあるとすれば、EOS を開発サイクルの後半で導入したため、最初にサンドボックスやデプロイ構造を明確に設計していなかった点です。その結果、EOS のデプロイメントおよびサンドボックス ワークフローに合わせて、パイプラインやバックエンド環境を再設計する必要がありました。次回からは、これらの構成要素をあらかじめ設計し、最初から EGS と EOS を内部開発に組み込んで進めようと考えています。
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今後、EOS の活用をさらに拡大していく予定はありますか?

Wilson 氏:私たちは常に、EOS の機能の中からゲームやプレイヤー体験を向上させられるものを検討しています。今後『Out of Time』に導入を検討している EOS の機能としては、リーダーボード、プレゼンス、そしてアンチチートの 3 つがあります。 

リーダーボード インターフェースは、プレイヤー同士が最速クリアタイムを競えるようになります。プレゼンス インターフェースは、フレンドがどのロケーションでプレイしているかを確認できるようにします。そして最後に、アンチチート機能は、今後より競技性の高いゲーム モードを検討していくうえで、欠かせない要素になると考えています。
 

本作は、Epic Games Store の First Run プログラムを通じて独占リリースされます。『Out of Time』において、この選択にはどんな理由があったのでしょうか?

Descamps 氏:私たちが First Run プログラムを選んだのは、『Out of Time』のより良い未来を築くうえで本当に役立つと感じたからです。収益分配率の改善により、ローンチ後のコンテンツやアップデートに、より多くのリソースを直接投入することができます。さらに、Epic Games Store で特集されることで、より多くのプレイヤーに本作を知ってもらえるようになりました。このプログラムを通じた独占リリースは、私たち開発者にとってだけでなく、長期的に見ればプレイヤーにとっても大きなメリットがあると考えています。
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リソースやツール、プロモーションの機会を探している他の開発者に向けて、EGS でのリリースに関するアドバイスはありますか?

Wilson 氏:まだ私たちにとっても初期段階ではありますが、いくつかおすすめしたい点があります。まずは Epic のパートナー マネージャーと積極的に連携することです。そして、デベロッパー ポータルを活用して、アチーブメントなどの EOS 連携機能をしっかりサポートすることです。また、できるだけ早い段階で高品質なマーケティング資料を準備しておくことも重要ですね。
 

振り返ってみて、UE5、EOS、EGS を組み合わせたことは、他に検討していたアプローチと比べて『Out of Time』の可能性をどのように広げたと思いますか?

Wilson 氏:UE5、EOS、EGS を活用することで、開発の効率化やデータ分析、そしてより迅速なリリースを可能にする統合型テクノロジー スタックを活かすことができました。UE5 の強化されたツール群、EOS のコアとなるマルチプレイヤー機能、そして Epic Games Store のオーディエンスと収益分配の仕組み、これらが一体となって機能することで、私たちは「より良いゲームづくり」に集中するための時間を確保できたのです。
 

『Out of Time』がリリースされた今、Manticore の次なる展開について教えてください。

Descamps 氏:私たちは今後も『Out of Time』に全力を注いでいきます。リリース後の現在は、プレイヤー コミュニティを拡大し、既存のプレイヤーの皆さんにこれからもゲームを楽しんでもらうことに注力しています。そして、2025 年後半以降に向けて、これからの展開に胸が躍るロードマップを用意しています。それもまた、私たちの大きな注力ポイントになるでしょう。
 

『Out of Time』について、さらに詳しく知りたい場合はどこをチェックすればよいでしょうか?

『Out of Time』の詳細は、outoftime.com をご覧ください。また、各種 SNS でも最新情報を発信しています。Twitter/X、Facebook、Instagram、TikTok、YouTube、そして Discord にてフォローをお願いします。

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