PubNub と Epic Online Services を使用して動的なマッチメイキング システムを作成する

2025年8月5日
この投稿は、PubNub チームによるゲスト寄稿です。PubNub は、デベロッパーが Epic Online Services を組み込むことで動的なマッチメイキングを実現することを選択できるサードパーティ プロバイダです。

ゲームのマッチメイキングは、プレイヤーに最も魅力的で楽しい体験を提供するために、数十年にわたり、進化し続けてきました。近年では、多くのゲームがマッチメイキングを通じてソーシャル体験を強化しています。これは、ゲーム内で友情やつながりを築いたプレイヤーは、長くそのゲームを続ける傾向があるためです。

こうした絆は、「ギリギリで蘇生してくれた味方」、「極限状況で息ぴったりに連携できたチーム」、「たまたま組んだデュオがその後も一緒にプレイするようになる」、などのプレイヤー同士の瞬間から生まれます。デベロッパーにとって、マッチメイキングを通じてソーシャル エンゲージメントと有意義なインタラクションを促進することは、プレイヤー同士の永続的な瞬間を生み出すうえで重要です。

サードパーティ プロバイダである PubNub は、Epic Online Services と連携して、プレイヤーの挙動、プレイスタイル、ソーシャル シグナルに基づいて動的に適応するマッチメイキングを実現する選択肢をデベロッパーに提供し、ゲーム内でマッチメイキングを行う新しい方法をデベロッパーに提供します。その仕組みを、詳しく見ていきましょう。
 

動的マッチメイキングの概要 

初期のマッチメイキング システムは主に接続に基づいており、安定した ping があればマッチメイキングすることができました。スキルベース マッチメイキング (SBMM) は、対戦相手同士で顕著なスキル格差がないようにするために生み出され、ゲームを楽しく、競争力があり、魅力的なものにしています。最近では、エンゲージメント最適化マッチメイキング (EOMM) が登場し、マッチ履歴からより広範なエンゲージメント パターンに至るまでのシグナルが追加され、よりパーソナライズされたプレイ体験が可能になっています。ゲームとプレイヤー コミュニティが成長し続けるにつれて、マッチメイキングにさらに動的なロジックを組み込むことで、この基盤を構築する機会も増えていきます。

PubNub と Epic Online Services による動的マッチメイキングは、セッションごとに変化する要素を含む、複数のカテゴリのプレイヤー フィードバックに基づいて機能します。まず、プレイヤーの定義方法の多様性を見てみましょう。
 
  • プレイスタイルの傾向 - カジュアル志向か、競技志向か
  • ロール タイプの傾向 - 攻撃型、防御型、サポート型などの分類
  • 操作デバイス - コントローラーか、マウス/キーボードか 
  • プレイ時間帯やセッションの目的 - 短時間だけ遊ぶのか、長時間没頭するのか
  • ソーシャルなつながり - フレンドリスト、フレンドのフレンド、チャットの環境設定

その他こうしたプレイヤーの「接点」を考慮することで、マッチメイキングの全体像が見えてくるのです。
効果的なマッチメイキングを実現するための主要なコンポーネントを示す図
動的なリアルタイム システムを作成することで、デベロッパーはプレイヤーのより総合的な視点を考慮したマッチメイキングをプレイヤーに提供できます。 

チームワークや戦略を重視する積極的なコミュニケーター同士がマッチングされ、フレンド同士でキューに入れば他のフルスクワッドと対戦し、誰であっても、自然で没入感があり、報われたと感じられるエクスペリエンスが得られるのです。
 

Epic Online Services と PubNub Illuminate で、動的なマッチメイキング ソリューションを作成しましょう

Epic Online Services を使えば、プラットフォームやストアページを問わずプレイヤーを迅速にゲームへ接続でき、さらに、Epic Games アカウント経由で既存のフレンドと即チームを組める環境が整います。音声チャットを含む豊富な機能に加え、開発者がコミュニティの健全性を維持できるよう、不正対策やプレイヤーモデレーション機能も提供されています。

Epic Online Services (EOS) はプレイヤーの識別、セッション管理、ロビーの形成といったマッチのビルドを担い、PubNub Illuminate はデベロッパーに前述のプレイヤーの挙動、好み、コンテキストを提供します。 

Illuminate は、開発者が選定したデータ ソースからのライブ シグナルのみを取り込みます。これには、プレイヤーのゲームプレイやメタデータのあらゆる要素を含めることができ、マッチングに利用する指標として自由に設定できます。たとえば、フレンド リスト、プレイ時間、使用する武器の好み、プレイ スタイル関するメタデータ、特定のタイプのスキンを好むかどうか、毎回ロビーを即ミュートにする傾向など、選択したライブ シグナルを使用して、プレイヤーをグループ化することができます。瞬間的 (リアルタイム) なデータを監視する場合でも、時間の経過による傾向を監視する場合でも、Illuminate はデベロッパーが選択したすべてのシグナルを認識し、それを開発者が定義したカスタム マッチメイキング ロジックに直接反映させることができます。

Epic Online Services は、リアルタイムで得られるマッチメイキングのガイダンスをもとに、セッションの作成を効率的に管理します。一緒にプレイしたいと感じられるチームを結びつけるのです。さらに、EOS はプラットフォーム、地域、ネットワークの特殊なケースにかかわらず、正しくマッチがルーティングされることを保証します。Illuminate はリアルタイムで動作するため、マッチメイキングのルールを即座に調整、変更、改善することが可能です。また、その変更はプレイヤーに瞬時に反映されます。

このスタックにより、マッチメイキング ロジックをゲーム クライアントから切り離すことができるため、優先順位が変更されたときにゲームにパッチを適用する代わりに、サーバー側のルールをリアルタイムで更新できます。 

たとえば、ソロ キューのプレイヤーが音声通信を使用して他のプレイヤーとマッチングする可能性が高まるイベントを実行したり、オフシーズン中にスキルを優先しないようにしたりする場合、オーディエンスに適した固有のシナリオを設計できます。これが可能なのは、これらのシナリオのロジックがエンジン内に組み込まれていないためです。プレイヤーのデータを PubNub Illuminate に送信している限り、ゲーム コードに一切調整することなく、または最小限の調整で、こういった調整を行うことができます。

Epic Online Services がインフラを担当し、Illuminate が判断を下すことで、ゲームやプレイヤー層の変化に合わせてマッチメイキング戦略を柔軟に進化させることができます。さらに、Illuminate の判断は、実際の利用データとトレンドに基づいているため、各マッチがプレイヤー個々に最適化されて感じられます。

その結果、プレイヤーのゲームプレイの好みを理解するように最適化されたマッチメイキング体験が実現します。
 

あなたに適応するマッチメイキング:リアルタイムでの意思決定を可能にする LiveOps アーキテクチャ

多くの従来型マッチメイキング システムでは、ロジックがゲーム クライアントやサーバーにハード コーディングされており、次回のパッチが適用されるまで変更できません。このようなフレームワークでは、実験が制限され、デベロッパーはプレイヤーの細かなニーズよりも「予測可能な」マッチメイキング ロジックを優先せざるを得ません。

Epic Online Services を使用するとデベロッパーは、PubNub Illuminate を組み込むことができます。そうすることで、その構造が根本から変わります。マッチメイキングのロジックはゲーム本体から切り離され、プレイヤーの行動やエンゲージメントの傾向に応じてリアルタイムで進化する、サーバーレスなルール エンジン上で動作します。

仕組みは以下の通りです。
  1. ゲームクライアント → Epic Online Services セッションと PubNub Illuminate テレメトリ
プレイヤーがゲーム クライアントからマッチメイキングを開始すると、Epic Online Services が ID 管理やパーティ、ロビーの形成を担います。同時に、Illuminate に対してセッション履歴、操作デバイス、プレイ時間帯、ボイス チャットの使用の有無、直近の行動パターンなどのテレメトリとコンテキスト情報が送信されます。 
 
  1. ゲーム → PubNub Illuminate API 呼び出し
ゲームは Illuminate を API 経由で呼び出し、バックエンドやゲーム エンジンから送られたプレイヤー情報とゲーム メタデータが渡されます。これらのデータは開発者によって定義、選定され、PubNub の「App Context」に保存されます。ここで、リアルタイムの指標やトレンドと照らし合わせた評価が可能となります。この仕組みは、毎月数兆件のメッセージを処理するインフラ上で動作しています。
 
  1. PubNub Illuminate → 意思決定エンジンとルール評価
Illuminate は、何千人、何百万人ものプレイヤー データをリアルタイムで処理します。ルールセットはノーコード、ローコード環境で作成でき、デベロッパーは過去のプレイデータとリアルタイム情報の組み合わせに基づいた、自由度の高いマッチメイキング ルールを構築できます。たとえば、プレイヤーが 3 回連続で負けていて、新しいフレンドとプレイしている場合、厳密な SBMM の優先順位を下げる「ソフト制約」をルールで実装することができます。
 
  1. PubNub Illuminate → Epic Online Services マッチメイキングの意思決定
Illuminate はマッチングの判断結果をゲーム側に返し、セッション作成ロジックをガイドします。ゲームはその情報に基づいて Epic Online Services を用いてセッションを作成し、プレイヤーの「現在の行動的特徴」に合致するようマッチングを実施します。マッチメイキングのロジックが、単なる理想論でなく、実際のロビー形成へと結びつきます。
 
  1. Epic Online Services → ゲーム セッション
Epic Online Services の API により、プレイヤーは適切なセッションへとルーティングされます。このセッションは、スキルやレイテンシーだけでなく、より深い意図マッチングに基づいて構成されます。クライアントはロビー情報およびセッション情報を受信し、ゲームが開始されます。
 
  1. セッション中 → 継続的なフィードバック ループ
プレイ中も Illuminate は、ユーザーの行動に関するメタデータや各種指標を継続的に取り込み、今後のマッチメイキング判断に活用するためのフィードバック ループを構築します。
 

マッチメイキング以外にも、デベロッパーは PubNub Illuminate を活用して、新しいビルドやデプロイメントを必要とすることなく、ゲームプレイ中に LiveOps ベースのイベントをその場で動的にトリガーできます。
PubNub Illuminate および EOS マッチメイキングのワークフローの図
このアーキテクチャにより、開発スタジオは極めて高い柔軟性を手に入れます。マッチメイキング仮説に基づく A/B テストの実施、地域特性に応じたロビーのパーソナライズ、さらにはライブ トーナメント中にプレイヤーの反応に応じてマッチメイキングをリアルタイム調整することさえ可能です。

Epic Online Services はインフラストラクチャのスケーラビリティと信頼性を提供し、サードパーティ ソリューションの Illuminate はデベロッパーに適応型の挙動ベースのマッチメイキングを作成するオプションを提供します。この 2 つが連携することで、完全に分離されながらも緊密に統合されたマッチメイキング システムが実現します。

詳細は、以下の動画をご覧ください。チュートリアル動画のフルバージョンは PubNub の YouTube チャンネルでご覧いただけます。 
 
 

    PubNub で動的なマッチメイキングをビルドする方法を学びましょう

    挙動ベースの動的なマッチメイキングの詳細を確認してみませんか?以下のサンプルとドキュメントをチェックしましょう。